医療技術の進歩によって、手術を行うことで視力回復が期待できるようになりました。
テクノロジーや医療機器の進歩のおかげで、より繊細な手術が可能になっているのです。
視力回復のために行われる治療としては、レーシックが非常に有名です。
しかし、実はこのレーシック以外にも『視力回復のための手術』は存在します。
それがICLという治療です。
そこで、視力回復のための代表的な手術として『レーシック』と『ICL』について紹介します。
【レーシックの基本】レーシックってどんな治療?
レーシック(LASIK)とは、レーザーをあてて角膜を削り、角膜のカーブを変えて角膜の屈折力を調整することにより、近視・遠視や乱視を矯正する視力回復治療です。
要するに、レーザーで角膜を削って視力を上げるという手術です。
日本では2000年に厚生労働省に認可されて以来、非常に多くの症例でレーシック治療が行われています。
手術時間も10分から30分程度と短く、痛みの少ない手術ということで、日帰りで気軽に手術が受けられるという特徴があります。
レーシックの効果も抜群で、『翌日には98%以上の人が1.0以上の視力に回復する』という研究結果も報告されています。
*)厚生労働省認定先進医療実施施設ウェブサイトより
レーシックのデメリット
一方、レーシック治療の特徴として、『角膜を削る』というものがあります。
一度削った角膜をもとに戻すということは難しく、レーシック治療による副作用の出現が気がかりという心理的な不安が存在します。
もちろん、レーシック治療自体は非常に安全なものですが、角膜を削って光の屈折を調節するため、治療後に『ドライアイ』や『ハログレア』とよばれる副反応が出現する可能性があります。
目が乾くドライアイだけではなく、視界に光がちらつくハログレアは多くの症例で経験される副反応です。
これらの反応は数週間から数か月の間に自然消失すると言われていますが、治療を受けた本人は心理的な不安を感じる場合があります。
また、レーシック治療によって視界が開けることで、日常生活で『まぶしい』と感じる頻度が上がる場合もあります。
外出時のサングラスや、ブルーライトカットレンズなどが手放せなくなったという声もあり、これらがレーシック治療を躊躇する要因となります。
『レーシック治療が安全なことは理解しているけど、自分に合わなかった場合に、元に戻せないからどうしよう…』という不安要素が、角膜を削るレーシック治療のデメリットであるといえます。
ICL治療(眼内コンタクトレンズ)とは?
ICL(眼内コンタクトレンズ)治療とは、ソフトコンタクトレンズに似た素材の『眼内レンズ』を目の中に埋め込む治療方法です。
手術で目の中にコンタクトレンズを埋め込むことで、毎日のコンタクトレンズの付け替えなどがなくなり、朝起きてすぐに視界が開けた状態を確保できます。
加えて、目の奥の方に埋め込むため、コンタクトレンズのような異物感がないというのも大きなメリットです。
ICL治療の特筆すべき点は、レーシックにように『角膜を削る必要がない』ということです。
これはレーシック治療との大きな違いのひとつであり、『手術をしたら元には戻せない』という不安が少ない手術だといえます。
角膜を削る治療方法ではないため、術後のドライアイなど、手術後の違和感が少ないというのも特徴的です。
ICL治療のデメリット
角膜を削らない治療というメリットが注目されていますが、ICL治療にもデメリットは存在します。
埋め込んだレンズが目のサイズにフィットしない場合は、眼圧の上昇や白内障などの合併症を発症する可能性があります。
加えて、ICL治療はレーシック治療と比べて手術費用が高額になるケースがほとんどです。
具体的な治療費用はクリニックによって異なりますが、ICL治療を行うためには高額な治療費が必要になります。
視力回復の手術はレーシックだけではない!
視力回復のための手術はレーシックだけではありません。
現在ではICL治療という選択肢も存在します。
どちらが良いということではありませんが、様々な情報を集めて、自分に合った視力回復方法を探っていくことが重要です。
角膜の状態によってはレーシックを選択できないという人もいますので、まずは一度専門家に相談してみることが大切です。
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