『無農薬野菜』にはどんなイメージがありますか?
なんとなく健康によさそうなイメージがありますよね。
多くの人が“なんとなく体に良さそう”と考えている無農薬野菜というのは、一体どんなものなのでしょうか?
そして本当に体に良いのでしょうか?
今回は、無農薬野菜とはなにか?という基本的な内容から、無農薬野菜のメリットとデメリットまでを幅広く紹介します。
無農薬野菜とは?
無農薬野菜とは、その名の通り、農薬を使わずに栽培された野菜のことをいいます。
農薬を使わずに栽培していることから、体に良い、健康に良いと考えられています。
しかし、無農薬で栽培するということは、それなりの手間や労力が必要になるため、通常の野菜よりも生産コストが高くなります。
そのため、消費者に届く頃には、通常の野菜よりも高い値段で販売される場合がほとんどです。
簡潔にまとめると、無農薬野菜とは、農薬を使わずに栽培した野菜であり、通常よりも高い価格で販売されることが多い野菜である、と言えます。
しかし実際には、無農薬野菜は『全く農薬を使っていない野菜』ではないのです。
無農薬野菜は全く農薬を使っていないわけではない!
無農薬野菜をより具体的に定義すると、『栽培期間中』に『農薬を全く使わずに』作られた野菜ということになります。
そのため、無農薬野菜は農薬を使っていないというだけで、なんらかの化学肥料や科学薬品を利用している可能性があります。
農薬イコール化学薬品(化学肥料)ではないため、農薬を使っていなければ化学肥料を使っていないということにはなりません。
「無農薬野菜はオーガニックだから体に良い」というのは誤りです。
無農薬野菜には化学肥料が使用されている可能性があります。
また、栽培期間中に農薬を使っていないのが無農薬野菜ですので、栽培期間前に土壌で農薬を使っている可能性も考えられます。
このように、無農薬野菜というのは、『化学物質を全く使用していない野菜』というわけではないのです。
もちろん、『無農薬野菜イコール有機野菜(オーガニック野菜)』ではありません。
実際に、無農薬野菜の定義がわかりにくく、誤解を招く可能性があるという意見があったことで、平成16年に『無農薬』という言葉の使用が禁止されています。
これ以降、食品に『無農薬』という表示ができなくなりました。
その代わりに、農林水産省は『特別栽培』という新たな表示を定めています。
特別栽培とは、『農薬の使用回数がその地域の慣行的な使用回数の50%以下であること』かつ『化学肥料の窒素成分量がその地域の慣行的な使用回数の50%以下であること』と明確に定義されております。
もちろんこの場合も『全く化学物質を使っていない』というわけではないことに注意が必要です。
無農薬野菜(特別栽培野菜)を食べるメリットは?
では、そんな無農薬野菜を食べるメリットはあるのでしょうか?
*)この記事では、分かりやすく無農薬野菜という言葉を用います。
じつは、無農薬野菜のメリットは『味』にあります。
無農薬野菜が健康増進に寄与するかどうかということに関しては、科学的に一定の根拠が得られていません。
なんとなく体に良さそうな感じもしますが、『無農薬』であるが故に、様々な生物や微生物が生息している可能性もあります。
それらがどの程度健康に影響しているかがわからないため、健康的なメリットをはっきり明記することはできません。
気持ち的には、なんとなく良い気がしますね。
しかし、『味』は主観的な指標ですので、非常に分かりやすいです。
実際に無農薬野菜を食べてみて、「おいしい」と感じたら、それは大きなメリットです。
美味しければ野菜を食べる頻度が高くなるでしょうから、その分健康になる可能性もあります。
このように、無農薬野菜のメリットは味にあると考えてみると良いでしょう。
無農薬野菜を食べるデメリットは?
一方、無農薬野菜にもデメリットがあります。
それはもちろんコストです。
生産費用が高くなり、野菜の価格が高くなります。
「野菜が高いから買わない」、「買わないから野菜は食べない」という悪循環になると、逆に健康被害が出現する可能性すらあります。
コストの面と折り合いをつけながら、うまく活用すると良いでしょう。
無農薬野菜に限らず野菜を積極的に食べよう!
・無農薬じゃないから食べない
・無農薬は高いから食べない
ではなく、『とにかく野菜を食べる』ということが健康にとっては重要です。
健康のためには、無農薬かどうかは別として、まずは野菜中心の食生活にするように心がけましょう。
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