近年多くの成人が抱えている健康的問題が『メタボリックシンドローム』です。
モノが溢れるゆたかな現代日本では、エネルギー不足による健康被害よりも、エネルギー過剰による健康被害の方が問題視されているのです。
頑張って豊かな生活を手に入れた結果、豊かさによって健康に被害が生じるという、なんとも皮肉な話ではありますが、実際にメタボリックシンドロームによって健康を害している人は大勢います。
そんなメタボリックシンドローム(通称:メタボ)とお酒(アルコール)の関係を紹介しながら、上手なお酒との付き合い方を解説していきます。
そもそもメタボリックシンドローム(メタボ)とは?
そもそも、メタボリックシンドロームとはどんな状態のことなのでしょうか?
なんとなく『太っている』というイメージはできますが、具体的に説明するのは難しいですよね。
そこで、まずは具体的な定義から確認していきます。
メタボの定義
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満の状態かつ、高血圧や高脂血症、糖尿病の2つ以上の病気を抱えている状態のことを指します。
そのため、ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとはいえず、『内臓脂肪』と『生活習慣病』がキーワードとなります。
内臓脂肪と生活習慣病の脅威
内臓脂肪の蓄積と生活習慣病(高血圧や糖尿病)が合併している状態のメタボリックシンドロームでは、心疾患や脳血管疾患など、大きな病気が発症しやすくなることが分かっています。
そのため、メタボリックシンドロームそのものが脅威ということではありません。
内臓脂肪とそれに伴う生活習慣病によって、動脈硬化が進行し、心臓や脳などの重大な臓器がダメージを受ける可能性があり、これがメタボに注意すべき最大の理由です。
動脈硬化を未然に防ぐには?
メタボの人が動脈硬化を未然に防ぐためには、日々の生活習慣を見直す必要があります。
しかし、多くの人は、『分かっていても』生活を変えることができません。
高血圧や高脂血症になったとしても、ほとんど症状はなく、全く生活に支障がないのです。
しかし、そのまま放置してしまうと、徐々に血管は蝕まれ、いつか大きな病気となって表面化します。
そのため、動脈硬化に関連する大きな病気を未然に防ぐためには、症状がない状態であっても、生活習慣を見直すことが重要なのです。
メタボリックシンドロームとお酒の関係
ではここからは、生活習慣のひとつである『飲酒』について考えてみましょう。
適度なお酒(アルコール)そのものが、直接的にメタボに結びつくわけではありません。
しかし、人間は飲酒だけで十分な栄養素やエネルギーを賄うことはできませんので、多くの場合は食事と飲酒が同時におこなわれます。
アルコールを飲むのは寝る前だけという人も、別の時間には食事を摂取しているはずです。
食事にプラスアルファして飲酒時(おつまみも含め)のカロリーが上乗せされることで、確実にオーバーカロリーとなります。
加えて、糖質がリッチに含まれているビールを大量に飲むことによって、内臓脂肪の蓄積は促されます。
ちなみに、350mlのビール1本には、茶碗7分目ほどのお米と同程度のカロリー(約140kcal)が含まれています。*)
そのため、ビールとラーメン、ビールとごはん、ビールとお寿司などの組み合わせは、炭水化物を大量に摂取していることになるのです。
毎日の飲酒習慣がある人は、知らず知らずのうちに、大量の糖質を摂取しているということになります。
飲酒時にはおつまみや食事量に注意すること!
飲酒習慣のある人は、飲酒量を制限するとともに、食事やおつまみの配分に気を付ける必要があります。
飲酒量を減らす代わりに食事量が増えてしまったり、食事量を減らす代わりに飲酒量を増やしてしまっては、中性脂肪を減らすことはできません。
油の少ないタンパク質中心のおつまみ(豆腐・納豆・素焼きナッツなど)に変える、ビールを飲むときには炭水化物を食べない、などの工夫が重要です。
メタボリックシンドロームを予防するためには、お酒だけではなく、おつまみや食事など食生活を総合的に見直していく必要があります。
休肝日を作り、アルコール量を減らすことはもちろんのこと、食事の質や量にも注意しましょう。
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